町指定重要文化財

横150㎝、縦170㎝の涅槃図で、箱書きに「享保14年」（1729）とあり、真安儀三郎ほか８６名によって、禅源寺に寄進されたものである。寄進者が小田の人であることから、当時、この地区で涅槃会の御絵解がさかんであったと推測される。涅槃図は保存状態も良好で、会衆者の着物の図柄など当時の風俗を研究する上では参考になる点が多い。また、宗教的には御絵解に必要な会衆者53人の名前が記されている点で、珍しく希少価値が高い。

この涅槃図は絹本に肉筆で描かれた大型の涅槃図で、入念に図柄が描かれており、江戸時代の描写の特徴をよく表している。保存状態もきわめて良好で、製作技法、形式ともに江戸時代の涅槃図として貴重なものである。